自家製酵母やサワードゥを始めたときに最初に悩むのが「元種に使う粉の種類」。
ライ麦粉・全粒粉・強力粉……それぞれの特徴を理解して選ぶことで、失敗を減らし、自分好みのパンに仕上げることができます。
本記事ではライ麦粉・全粒粉・強力粉を元種に使ったときの違いを徹底比較し、どんな人にどの粉がおすすめなのかを解説します。
ライ麦粉を元種に使う場合
ライ麦粉とは、ライ麦という小麦と同じイネ科の穀物の粉です。一般的な小麦粉より粉の挽きが粗く少し灰色っぽい色をしています。
ライムギ(ライ麦、学名Secale cereale)はイネ科の栽培植物で、穎果を穀物として利用する。別名はクロムギ(黒麦)。単に「ライ」とも。日本でのライムギという名称は、英語名称のryeに麦をつけたもの (Wikipediaより)
ライ麦の特徴
強力粉とライ麦粉、2つを並べて比較してみました。

やはりライ麦粉の方が暗いですね。粒子も粗く、ダマになりやすいです。
- 特徴:酵母や乳酸菌の活動が活発になりやすい。独特の酸味と深い風味。ミネラルや食物繊維が豊富。
- メリット:活性が強く個性的なパンに仕上がる。
- デメリット:グルテンが少なく粘りやすい。扱いにくく発酵管理が難しい。
元種を起こす時にライ麦粉を使う場合、1回目だけライ麦粉で、2回目以降は強力粉を使うなどのアレンジも可能です。
後に作るパンの種類によって風味が変わってくるので、特にカンパーニュやバゲットなどハード系のパンを作る場合にはライ麦粉は向いていると思います。
👉 ライ麦粉は「風味重視派」におすすめ。ただし元種にはいいですが、パンを焼く時の粉として使う場合、初心者にはやや難しい粉です。
ライ麦粉でパンを焼く場合
私は酸味の強いパンはあまり好きじゃないんですが、ライ麦粉の酸味は奥深いというか、強力粉だけのパンとは明らかに違う風味があって好きです。
ライ麦粉でパンを焼く時は少しずつ、始めは全体の30%くらいの割合でライ麦を入れて、慣れてきたら徐々に増やしていくとコツがつかめてくると思います。
全粒粉を元種に使う場合
全粒紛とは、小麦のふすま(表皮)や胚芽も一緒に丸ごと挽いて粉にしたもので、お米で言う玄米のようなものです。小麦粉のように真っ白でサラサラはなく、粒子も粗いものから細かいものまであります。
全粒粉の特徴
全粒粉とひと口に言っても、強力粉の全粒粉、薄力粉の全粒粉などがあるので、種起こしには強力粉の全粒粉を使います。
- 特徴:小麦の表皮や胚芽を含むため栄養価が高い。香ばしい風味としっかりした食感。
- メリット:酵母の活性が安定しやすい。味わい深いパンに仕上がる。う
- デメリット:強力粉より膨らみは控えめ。やや重たい食感になりやすい。
👉 全粒粉は「バランス型」。健康志向や栄養を重視する人に最適です。
ライ麦粉同様、種起こしの1回目に全粒粉を使い、2回目以降は強力粉という使い方も可能です。
元種の様子やお好みで色々試してみるといいでしょう。
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強力粉を元種に使う場合
パンと言えば最も一般的なのが強力粉。お菓子やケーキ作りに使う薄力粉よりグルテンが多く、一般的にはタンパク質が11.5%~13.5%のものを言います。
強力粉の特徴
強力粉はグルテンが多くパン作りに使用するとふわふわな仕上がりになります。
- 特徴:グルテンが豊富で膨らみやすい。味や香りはシンプル。
- メリット:初心者でも安定した元種を作りやすい。パンがふっくら仕上がる。
- デメリット:風味は控えめで個性が少ない。
👉 強力粉は「初心者」や「ふわふわ食感が好きな人」におすすめ。
強力粉も、国産か輸入物かやブランドによって違いもあるので、色々使って比べてみるのも楽しいですね。
ライ麦粉・全粒粉・強力粉の比較表まとめ
ライ麦粉、全粒粉、強力粉を表にしました。下に行くほと初心者向けと言えますが、元種に関して言えばライ麦粉や全粒粉の方が酵母が起きやすいです。※個人的体験です。
ただ、これも「新鮮な粉」であるほど菌が活性しやすいので、特に種起こしは購入後または開封して時間が経ったものよりは新しいものを使うことをおすすめします。
粉の種類 | 活性度 | 風味 | 扱いやすさ | 向いている人 |
---|---|---|---|---|
ライ麦粉 | 強い | 酸味・香り強い | 難しい | 個性派・上級者 |
全粒粉 | 安定 | 香ばしい | 普通 | 健康志向・バランス型 |
強力粉 | 安定 | 控えめ | とても扱いやすい | 初心者・ふんわり派 |
おすすめの粉の使い分け
ライ麦粉・全粒粉・強力粉にはそれぞれの強みと弱みがあります。
大切なのは「自分がどんなパンを焼きたいか」を基準に選ぶこと。私のおすすめは
強力粉が初心者におすすめの理由は、価格帯も含め購入しやすいというのもあります。
ですが、元種作りの1回目にライ麦粉や全粒粉を使い、活性化したら強力粉に切り替える方法もおすすめです。
ライ麦粉・全粒粉・強力粉の違い まとめ
ライ麦粉ってちょっとハードルが高いイメージがありますが、種起こしに関してはそこまでハードルの高いものではありません。
ただ、わざわざ買うのもな、という方は強力粉や全粒粉から始めたらいいですし、自分の好みやスタイルに合った粉から始めてまずはパン作りを楽しんでください。
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