「サワードウ」の魅力は、なんと言っても深い味わいと、体に優しい天然酵母の力にあります。
そして、その味わいの鍵を握るのが、「粉」の選び方なのです。
とはいえ「どんな全粒粉を選べばいいの?」「それぞれの粉の特徴は?」「どうブレンドすれば美味しくなるの?」といった疑問が出てきますよね。
この記事では、そんなあなたの疑問を解決し、全粒粉サワードウパン作りの第一歩を自信を持って踏み出せるよう、分かりやすく丁寧に解説していきます。
私自身もパン作りをする中で、粉の選び方一つでパンの仕上がりが大きく変わることを実感してきました。豊富な経験と専門知識に基づき、あなたのパン作りを成功へと導くためのヒントを惜しみなくお伝えします。
自分だけの特別なサワードウパン、理想の全粒粉サワードウパンを目指しましょう!
全粒粉サワードウパン作り、粉選びが重要!
全粒粉と一口に言っても、その種類は豊富で、それぞれに異なる特性を持っています。最適な粉を選ぶことは、サワードウスターターの活性化から、焼き上がりのパンの食感、風味に至るまで、パン作りの成功に直結する重要な要素です。
この章では、サワードウパン作りに適した全粒粉の種類と、それぞれの粉がパンに与える影響について詳しく解説します。
サワードウに最適な全粒粉とは?種類とそれぞれの特徴
サワードウパン作りに最適な全粒粉を選ぶ上で、小麦の種類とその挽き方を理解することは非常に重要です。
全粒粉とは、小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしたもので、通常の白い小麦粉と比べて栄養価が高いのが特徴です。特に、食物繊維やミネラル、ビタミンB群が豊富に含まれています。
サワードウスターター(天然酵母種)を育てる際にも、全粒粉に含まれる豊富な栄養が酵母の活性化を促すと言われています。パン生地も安定して膨らみやすくなります。
👉自家製天然酵母の作り方|酵母液から元種起こしまでの基本とコツ【初心者向け】
もちろん全粒粉にも強力粉、中力粉、薄力粉があるので、パン作りに使うのは主に強力粉で、サワードウパンも例外ではなく主に強力粉全粒粉またはパン用全粒粉を使います。(全粒粉薄力粉でも強力粉と混ぜるなら問題ありませんが、初心者さんはまずは強力粉から試すことをおすすめします。)
さらに、挽き方によっても粉の特性は変わります。細かく挽かれた全粒粉は吸水性が良く、滑らかな生地になりますが、粗挽きの全粒粉は粒感が残り、独特の食感と風味をもたらします。
私は、粗挽きの方が全粒粉ならでの見た目と食感があって好きです。慣れてきたらお好みで選んでくださいね。
日本の国産のおすすめ全粒粉3選
日本の国産で全粒粉強力粉、厳選して3商品をご紹介します。
1、石臼はるゆたか全粒粉 北海道産 小麦粉
北海道産の希少な「はるゆたか」を贅沢に100%使用しています。石臼でじっくり時間をかけて挽いた、小麦の香り・味わいを最大限に引き出した全粒粉。
👉石臼はるゆたか全粒粉 北海道産 小麦粉を見る
2、オーガニック北海道産「キタノカオリ」(石臼全粒粉)
北海道で有機栽培された「キタノカオリ」小麦を100%使用した有機(オーガニック)全粒粉小麦粉です。栽培時および収穫後の化学肥料不使用、化学農薬不使用の有機JAS認定品です。(商品ページより抜粋)
👉オーガニック北海道産「キタノカオリ」有機キタノカオリ(強力粉 石臼全粒粉)を見る
3、春よ恋 石臼粗挽き全粒粉 北海道産
石臼粗挽きなので、全粒粉の中でも粒子が大き目。食感を楽しみたい方におすすめです。
👉春よ恋 石臼粗挽き全粒粉 北海道産を見る
ライ麦全粒粉について
ライ麦全粒粉もサワードウスターターの餌として非常に優れており、その独特の香りがパンに深みを与えます。ライ麦全粒粉は小麦全粒粉よりもグルテン含有量が少ないですが、スターターの活性には非常に効果的です。
👉ライ麦酵母の作り方
多くのパン職人が、サワードウスターターの育成にはライ麦全粒粉を用いることが多いのはそのためです。
もちろんサワードウパンにも10%入れるだけでグンと味に深みが出ます。
ご自身の作りたいパンのイメージに合わせて、これらを使い分けることが、理想のサワードウパンを焼き上げる秘訣と言えるでしょう。
👉ライ麦粉・全粒粉・強力粉の違い|元種に使うならどれがおすすめ?
初心者でも失敗しない!全粒粉の選び方とブレンドのコツ
初めて全粒粉サワードウパンに挑戦する際、「どの全粒粉を選べばいいのか分からない」「ブレンドって難しそう」と感じるのは当然です。
しかし、いくつかのポイントを押さえれば、初心者の方でも失敗を減らし、美味しいパンを焼き上げることができます。
まず、全粒粉を選ぶ上での最も重要な点は、新鮮さです。全粒粉は、白い小麦粉に比べて油分が多く含まれているため酸化しやすく、風味が劣化しやすい性質があります。そのため、購入する際は製造日が新しいものを選び、少量ずつ購入することをおすすめします。品質の良い全粒粉は、パンに格別な風味を与えてくれます。
次に、具体的な粉の選び方ですが、初心者の方には、まず「強力粉タイプの全粒粉」から始めることをおすすめします。
強力粉タイプの全粒粉は、グルテン形成力が比較的高いため、生地が扱いやすく、失敗しにくい傾向にあります。これにより、サワードウ特有の気泡の多い、ふっくらとしたパンが期待できます
。例えば、大手製粉会社から販売されている、パン用全粒粉と明記された商品を選ぶと良いでしょう。
ブレンドのコツとしては、最初は白い強力粉と全粒粉を「8:2」や「7:3」の割合で混ぜて使うことから始めてみてください。
全粒粉は意外と少量でパン全体に影響を与えます。こんな少し?と思う量でも変わってくるので、2割でも十分です。
全粒粉の割合を高くするほど、パンは重く、どっしりとした食感になります。一方、白い強力粉を多くすると、より軽く、ふわふわとした食感に近づきます。
このブレンド比率を徐々に調整しながら、ご自身の好みの食感と風味を見つけていくのが、パン作りの醍醐味の一つです。
例えば、私が全粒粉サワードウパンを作った時は、最初は全粒粉の割合を2割から始め、少しずつ増やしていきました。段階的に調整することで、生地の変化にも慣れ、最終的には全粒粉50%を超えるパンも焼けるようになりました。
さらに、風味を豊かにしたい場合は、少量のライ麦全粒粉をブレンドに加えるのも効果的です。ライ麦全粒粉は独特の酸味と香ばしさを持ち、サワードウパンの風味を一層引き立ててくれます。
ただし、ライ麦はグルテン形成力が弱いため、配合量が多くなると生地が扱いにくくなる可能性があります。最初は全体の1割程度から試してみて、徐々に調整していくのが賢明です。
👉ライ麦粉・全粒粉・強力粉の違い|元種に使うならどれがおすすめ?
最終的には、様々な種類の全粒粉を試しながら、ご自身にとって「これだ!」と思える最高の組み合わせを見つけることが大切です。試行錯誤の過程も、パン作りの楽しさの一部としてぜひ満喫してください。
全粒粉サワードウパンを美味しく焼き上げるための粉の保存方法
せっかく厳選した全粒粉も、適切な方法で保存しなければ、その風味や品質はすぐに劣化してしまいます。特に全粒粉は、精製された小麦粉に比べて、胚芽に含まれる油分が酸化しやすく、虫がつきやすいという特性を持っています。そのため、美味しい全粒粉サワードウパンを常に焼き続けるためには、正しい保存方法を実践することが不可欠です。
最も重要なのは、「低温で、空気に触れさせない」という原則です。全粒粉の劣化の主な原因は、空気中の酸素と温度による酸化です。高温多湿な環境は、虫の発生やカビの原因にもなりかねません。購入後は、密閉できる容器に移し替えるのが基本です。元々の袋のままだと、空気との接触面が多くなり、酸化が進みやすいためです。ガラス製の密閉容器や、チャック付きの厚手の保存袋などが適しています。
具体的には、冷蔵庫での保存が最も推奨されます。特に、日本の夏のように湿度と温度が高い時期は、常温保存ではすぐに品質が落ちてしまいます。冷蔵庫の野菜室は、比較的湿度が保たれているため、全粒粉の保存に適していると言えるでしょう。ただし、冷蔵庫から出したばかりの冷たい粉をすぐに使用すると、生地の温度が上がりにくく、発酵に影響を与える可能性があります。使用する際は、事前に常温に戻しておくか、ぬるま湯を使って生地の温度を調整するなどの工夫が必要です。
長期保存を考えている場合は、冷凍庫を活用するのも一つの手です。冷凍保存することで、酸化の進行をさらに遅らせ、虫の発生も防ぐことができます。冷凍庫に入れる際も、必ず密閉容器や厚手の保存袋に入れ、冷凍焼けを防ぐようにしましょう。ただし、冷凍と解凍を繰り返すと品質が劣化する可能性があるので、小分けにして保存し、必要な分だけを取り出すようにすると良いでしょう。
私は夏は必ず密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存するようにしています。この方法に変えてからは、品質の劣化も感じず、いつでも新鮮な状態でパン作りに使用できています。適切な保存は、美味しいパン作りの土台となります。ぜひ、今日から実践してみてください。
6. FAQ 回答
サワードウスターターに最適な全粒粉の種類は?
サワードウスターターの育成には、ライ麦全粒粉が特におすすめです。ライ麦全粒粉は、小麦全粒粉よりも多くの微生物が活動するための栄養源を含んでおり、スターターを活発に育てるのに非常に効果的です。また、ライ麦の独特な風味が、最終的なパンの味わいに深みを与えます。もしライ麦全粒粉が手に入りにくい場合は、タンパク質含有量が多い強力粉タイプの全粒粉でも代用可能です。新鮮で質の良い粉を選ぶことが、元気なスターターを育てる上で最も重要です。
全粒粉以外にサワードウパンに使える粉はありますか?
はい、全粒粉以外にもサワードウパンに使える粉はたくさんあります。最も一般的に使われるのは強力粉(白い小麦粉)です。強力粉はグルテン形成力が強く、扱いやすい生地になるため、初心者の方にもおすすめです。また、スペルト小麦粉やカムット小麦粉なども、独特の風味と栄養価があり、サワードウパンに適しています。グルテン含有量が少ないため、生地の扱いには少し慣れが必要ですが、これらの古代小麦は、より風味豊かなパンを求める方におすすめです。
グルテンフリーの全粒粉サワードウパンは作れますか?
はい、グルテンフリーの全粒粉を使ったサワードウパンを作ることも可能です。ただし、グルテンがないため、通常の小麦粉のパンとは異なる特性を持ちます。米粉をメインに、タピオカ粉、アーモンド粉、そば粉などを組み合わせて使うのが一般的です。グルテンがないと生地が膨らみにくいため、サイリウムハスクなどの増粘剤を少量加えることで、まとまりやすさや弾力性を補うことができます。通常のパンのような大きな気泡は出にくいですが、しっとりとした美味しいグルテンフリーサワードウパンが楽しめます。
全粒粉サワードウ成功の鍵は粉!選び方とブレンド術 まとめ
この記事では、全粒粉サワードウパン作りの要となる「粉」に焦点を当て、その種類、選び方、ブレンドのコツ、そして適切な保存方法について詳しく解説しました。全粒粉の種類によってパンの風味や食感が大きく変わること、そして新鮮な粉を選ぶことや適切な保存が、美味しいパンを焼き上げる上でいかに重要であるかをご理解いただけたかと思います。
サワードウパン作りは、奥深く、そしてクリエイティブな趣味です。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、ご紹介したポイントを参考に、ぜひ様々な全粒粉を試してみてください。ご自身の経験を重ねることで、きっとあなただけの「最高の全粒粉サワードウパン」に出会えるはずです。
全粒粉サワードウパン作りを始めるなら、まずは「この粉」から!
記事でご紹介した情報を参考に、今日からあなたも理想の全粒粉サワードウパン作りに挑戦してみませんか? 今すぐあなたのキッチンで、天然酵母の魔法を体験しましょう!
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