自家製酵母を使って、もちろんフォカッチャだって作れます。もちもちで、ふわっとして、噛むほどに小麦とオリーブオイルの香りがふんわり広がるフォカッチャ。仕事や家事に追われる日々の中で、ほんの少し贅沢な時間を過ごしたい。そんなあなたにぴったりのパン作りです。
自家製酵母で作るフォカッチャは、なんといっても添加物を気にせず、身近な材料だけで作れるから、家族みんなが安心して食べられるのも嬉しいポイントですよね。この記事では、自家製酵母を使って、簡単で本格的なフォカッチャの作り方を、私自身の経験を交えながら丁寧に解説していきます。
実は私も、初めて自家製酵母に挑戦したときは、失敗ばかりでした。「なんで膨らまないんだろう？」「こんなにベタベタで大丈夫？」と、不安になったことを今でも覚えています。でも、試行錯誤するうちに、酵母が喜ぶ環境や、生地が教えてくれるサインが少しずつわかるようになってきました。このページには、そんな私の経験から得た「これだけ知っていれば大丈夫！」というヒントをたくさん詰め込んでいます。
パンを焼く時間は、忙しい毎日から少し離れて、自分だけの時間に浸る、大切なリフレッシュタイムになります。プクプクと育つ酵母を見守り、生地の柔らかな感触を手のひらで感じる。そんな穏やかな時間が、きっとあなたの心を満たしてくれるはずです。さあ、一緒に自家製酵母フォカッチャ作りの扉を開けてみませんか？ このレシピが、あなたのパン作りを、そして日々の暮らしを、もっと豊かにするきっかけになれば幸いです。
自家製酵母でフォカッチャを焼こう！初心者でも失敗しないレシピとコツ
今回ご紹介するレシピは、『高加水』『こねない』『オーバーナイト』という工程を含んだ、簡単でシンプル、かつ本格的な仕上がりになる方法です。フォカッチャ作りの経験がなくてもこの通りに進めていけば、きっとふわふわもちもちの、家族も喜ぶ美味しいフォカッチャが焼きあがるはずです。パン作りの一番の醍醐味は、生地が少しずつ膨らんでいくのを眺めたり、焼きたての香ばしい匂いが家中に満ちる瞬間です。ぜひ、このページを読みながら、自家製酵母フォカッチャ作りの一歩を踏み出してみましょう。
自家製酵母フォカッチャの魅力｜なぜ今「手作り」が選ばれる？
自家製酵母で焼くフォカッチャには、市販のパンやドライイーストを使ったパンとは一味違う、特別な魅力がたくさん詰まっています。最大の魅力は、その深みのある風味です。ドライイーストは単一の菌で発酵しますが、自家製酵母はフルーツや穀物、野菜に自然に付着している様々な種類の天然酵母菌が共存しています。この多様な菌たちが織りなすハーモニーによって、パンに複雑で奥深い香りと、ほんのりとしたやさしい酸味が生まれます。パン好きの間で「自家製酵母のパンは格別」と言われるのは、こうした理由があるからなのです。
また、手作りパンは、使う材料を自分で選べるという大きなメリットがあります。最近は、無添加やオーガニックの食材に関心を持つ方が増えてきました。フォカッチャは、小麦粉、塩、水、オリーブオイル、酵母という、ごくシンプルな材料でできています。自家製酵母を使えば、添加物を一切加えることなく、家族に安心して食べさせられるパンを焼くことができます。お子さんのいるご家庭や、食の安全を大切にしたいと願う方にとって、この安心感はかけがえのないものです。
さらに、パンを焼く時間は、日々の忙しさから少し離れて、自分だけの静かな時間を取り戻す絶好の機会になります。生地を優しくこね、酵母がゆっくりと膨らんでいくのをじっと待つ。この一連の作業は、心に穏やかさをもたらし、日々のストレスをそっと和らげてくれるでしょう。実際に、パン作りが趣味だと語る方からは「無心になれて落ち着く」「心が満たされる」といった声がよく聞かれます。
自家製酵母のパン作りは、少し時間と手間がかかるかもしれません。しかし、その分、生地が生きていることを感じながら、焼き上がったときの達成感はひとしおです。心を込めて作られたパンは、食卓に温かい幸せを運んでくれます。
基本の材料と道具｜シンプルに始めるパン作り
自家製酵母フォカッチャを焼くために必要なものは、実はとても身近なものばかりです。「パン作りは道具を揃えるのが大変そう…」と心配になるかもしれませんが、まずはキッチンにあるもので十分に始めることができます。
まず、材料です。
- 強力粉: パンのふくらみやもちもち食感の鍵となるグルテンを多く含んでいます。
- 自家製酵母: 起こしたばかりの赤ちゃん酵母ではなく、一度リフレッシュさせて元気になった酵母を使うのが成功の秘訣です。
- 水: 通常の飲料水で大丈夫です。
- 塩: パン生地の風味を引き立て、味わいに深みを与えます。
- オリーブオイル: フォカッチャ特有の香りとしっとりした食感を生み出します。
次に、道具です。
- ボウル: 材料を混ぜるための、ごく普通のボウルでOKです。タッパーでも大丈夫。
- スケール（はかり）: 材料を正確に測ることで、安定したパン作りにつながります。
- ゴムベラまたは手: 生地に空気を含ませ、まとめる際に使います。
- オーブン: パンを焼くための大切な道具です。
これらの道具は、特別なものでなくても、ご家庭にあるものや100円ショップなどで手に入るもので十分代用できます。例えば、生地をこねる台は、清潔なキッチンカウンターや大きめのまな板で構いません。
パン作りで一番大切なのは、材料の分量をきっちり測ることと、生地の様子をしっかり観察することです。パン作りはまるで小さな科学実験のようです。分量を守るだけで、成功への道がぐっと開けます。道具は完璧に揃える必要はありません。まずは手持ちのもので始めてみて、パン作りの楽しさを感じてから、少しずつお気に入りの道具を買い足していくのが、長く続けるコツです。焦らず、自分のペースで、パン作りを楽しんでみてくださいね。
自家製酵母フォカッチャの作り方｜高加水でこねない
いよいよ、自家製酵母フォカッチャ作りの本番です。このレシピは、パン作りが初めての方でも安心して挑戦できるように、各工程のポイントを写真付きで丁寧に解説していきます。パン作りの失敗の多くは、「発酵の見極めがわからない」という点にあると言われています。でも、大丈夫。生地の状態をよく観察し、まるで生地と会話するように進めていきましょう。
私はいつも、夜ご飯を食べた後に準備を始めて、片付けの合間に、ゆっくりテレビを見ている合間に、と30分置きに生地を触り、寝るまでに４回を終わらせる逆算して始めます。ここだけの話、忘れてしまうことも多いですが気にせずコイルフォールドの回数を減らして進めます。でも殆どの場合が成功するのでもし忘れてしまっても（変な臭いがしていなければ）気にせず最後まで焼いてみて下さい。思いがけず美味しく仕上がることもありますよ。
このレシピ通りに進めば、きっと美味しいフォカッチャが作れます。もし、途中でうまくいかなくても、それがあなたのパン作りの成長につながる大切な経験になります。この章では、生地の混ぜ方から、ふっくらと膨らませるための発酵のタイミング、そしてフォカッチャのトレードマークである「指穴」の作り方、焼き加減の調整まで、一つひとつステップを追って詳しくご紹介します。さあ、一緒にキッチンで、最高のフォカッチャを焼き上げてみましょう！
自家製酵母ストレート法のフォカッチャレシピ
まずは酵母液を使ったストレート法です。レーズンやブドウ、リンゴなどフルーティーな香りのものでもいいですが、ハーブ系から作った酵母液もフォカッチャに合います。
- 強力粉 300ｇ
- 酵母液 240ｇ（80％）
- オリーブオイル 15ｇ（５％）
- 砂糖 ９ｇ（３％）
- 塩 ６ｇ（２％）
できるだけ元気な酵母液を使います。酵母液が足らない場合はお水を足して下さい。
※かっこ内はベーカーズパーセント。粉の量に対する割合です。
自家製酵母の元種を使ったフォカッチャレシピ
続いて元種を使ったレシピです。ライ麦粉や全粒粉よりも強力粉のみで作った酵母がおすすめです。
- 元種 80ｇ
- 強力粉 260ｇ
- 水 200ｇ
- オリーブオイル 15g
- 塩 ６ｇ
こねないフォカッチャの作り方
では、作り方をご紹介します。ストレート法も元種法も工程は同じです。
１、元種の場合は水と元種を綺麗に混ぜ合わせてから他の材料を入れます。ストレート法の場合は全部一緒に入れて混ぜて下さい。泡だて器やヘラでしっかり混ぜます。
２、粉気がなくなる程度に混ざったら乾燥しないようふたをして30分置きます。
３、両手にオリーブオイルを塗って、生地を端から伸ばして折りたたむストレッチ＆フォールド
４、綴じ目を下にして30分置きます。
５、生地の表面にオリーブオイルを塗って、生地を持ち上げて置くコイルフォールド
６、30分置きます。
７、『コイルフォールド＋30分』を後２回繰り返します。回数を追うごとに生地の表面が滑らかになり艶が出てきます。
８、冷蔵庫の野菜室で一晩（または12時間ほど）寝かせます。寝かせなくてもいいですが、じっくり低温で発酵させた方が格段に美味しくなります。
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９、冷蔵庫から出したら常温に戻るまで置きます。常温に戻った時に生地が２倍くらいに膨らんでいなければ、膨らむまで待ちます。
10、生地が2倍に膨らんだらトレーに出して、指で上から押し込みながら広げ、表面にオリーブオイルを塗って二次発酵させます。
11、全体がふっくらしてきたら（40分～１時間）、表面に再度オリーブオイルを塗って指で押さえます。野菜やハーブを乗せる場合はこの時に押さえるように置きます。最後に上から全体に岩塩を振ります。
12、200度に予熱したオーブンで20分焼いたら出来上がり！焼き上がりに更にオリーブオイルをたっぷり乗せると見た目もつややかに美味しそうになります。
フォカッチャのおすすめトッピング
フォカッチャはハーブや野菜、チーズなど色んな具材をトッピングすることができます。私が今まで試したのは
- オリーブの実
- トマト
- ニンニク
- ローズマリー
- チーズ
- キノコ類
- ヤングコーン
- ブロッコリー
- 玉ねぎ
- じゃがいも
他にも季節の野菜やベーコンなども美味しかったです。また、トマトや玉ねぎなどを先に炒めたものを乗せるのも美味しいです。
さらに変わり種として、
- チョコレートとチョコチップ
- 蜂蜜＆バター
この２つは、本来なら塩気のあるフォカッチャに甘さがミスマッチで、それが新鮮でおいしかったです。たまには違った味のフォカッチャを焼きたい時におすすめです。
フォカッチャ作りの「よくある失敗」と解決策
パン作りに失敗はつきものです。特に自家製酵母は、インスタントドライイーストよりも少しデリケートなので、「あれ？なんだかうまくいかないな…」と思うこともあるかもしれません。ここでは、私がパン作りの初期によく経験した「よくある失敗」と、その具体的な解決策をご紹介します。
【失敗例1】生地がうまく膨らまない 「頑張ってこねたのに、生地が全然膨らんでくれない…」その原因は、酵母が元気でないか、発酵する温度が低すぎる可能性が高いです。酵母は生きているので、環境に大きく左右されます。
- 解決策:
- まず、酵母液や元種の元気さをチェックしましょう。水に溶かしたときに、プクプクと泡が立っているか見てみてください。もし泡が少ないようであれば、数回に分けて酵母をリフレッシュさせて、活性化させてから使いましょう。
- 発酵は、温かい環境が大好きです。室温が寒い季節には、湯たんぽやオーブンの発酵機能を使うなどの工夫をしてみてください。
【失敗例2】焼き上がりが硬い、またはパサパサする これは、生地の水分量が少なかったり、反対に発酵しすぎたりすることが原因として考えられます。フォカッチャは、水分が多いパンなので、生地は少しベタベタするくらいが理想です。
- 解決策:
- レシピに書かれた水分量は目安ですが、小麦粉の種類や湿度によって水分吸収率は変わります。生地を触ってみて、手に少しベタつくくらいの柔らかさが理想です。硬いと感じたら、大さじ1ずつ水を足しながら調整してみてください。
- 過発酵は、生地中の酵母が活動しすぎて、ガスを出し尽くしてしまうことで起こります。発酵時間を少し短くしたり、発酵中の温度を少し下げてみましょう。
これらの失敗は、パン作りを続けていけば、必ず誰もが通る道です。失敗を恐れずに、「次はこうしてみよう！」と少しずつ調整を重ねていくことが、上達への一番の近道です。たとえ失敗したパンでも、味は美味しいことがほとんどです。失敗作をサンドイッチにしたり、スープに浸して食べたりと、美味しく楽しむ工夫もできますよ。
FAQ 回答
自家製酵母はどんな種類がありますか？
自家製酵母には、レーズン酵母、りんご酵母、ヨーグルト酵母など、さまざまな種類があります。使う材料によって、パンに加わる風味も大きく変わるのが魅力です。初めての方には、比較的安定して作れるレーズン酵母がおすすめです。レーズンと水だけで手軽に作ることができ、パンにフルーティーで優しい香りを加えてくれます。いろいろな酵母を試して、ご自身のお気に入りの風味を見つけるのも、パン作りの大きな楽しみの一つになります。
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発酵がうまくいかない原因は何ですか？
発酵がうまくいかない原因は、主に「温度」と「酵母の元気さ」が考えられます。酵母は生き物なので、温度が低すぎると活動が鈍くなり、逆に高すぎると死んでしまいます。パン作りに適した発酵温度は25〜30℃です。また、酵母自体に十分な元気がないと、膨らみにくくなります。酵母液にプクプクと泡が立っているか、定期的に継ぎ足しを行っているか確認してみましょう。季節によって室温が変わるので、湯たんぽやオーブンの発酵機能を使って温度を一定に保つ工夫をしてみてください。また、温度計を一つ持っておくととても便利です。
ドライイーストでも同じレシピで作れますか？
はい、基本的な材料や作り方は同じで、ドライイーストでも代用可能です。ただし、自家製酵母とドライイーストでは発酵力が大きく異なるため、発酵時間は大幅に短くなります。ドライイーストを使用する場合は、上記のレシピの場合なら小匙１／４～小匙半分ほどで充分です。自家製酵母ならではの複雑な風味は出にくいですが、手軽にパン作りを楽しみたい時には便利です。
自家製酵母フォカッチャのレシピ｜簡単でこねないのに本格的な味に まとめ
今回は、自家製酵母を使ったフォカッチャのレシピと、成功させるためのポイントを、パン作りを始めるあなたのためにご紹介しました。パン作りは難しそうに感じられるかもしれませんが、焦らず、生地の声を聞くように進めていけば、きっとあなただけの美味しいフォカッチャが焼けます。
パンを焼くことは、ただ美味しいものを作るだけでなく、自分と向き合う穏やかな時間を与えてくれます。このレシピが、あなたのパン作りの第一歩になり、日々の暮らしにささやかな幸せを運んでくれることを心から願っています。
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