パン作りを始めると必ず出てくる疑問が「生イーストとドライイーストって何が違うの?」というものです。
イーストは発酵の要となる存在ですが、種類によって風味や発酵力、保存方法まで大きく異なります。
この記事では、生イーストとドライイーストの違い・メリット・使い分け方を徹底解説します。さらに初心者におすすめのイーストや代用方法も紹介しますので、パン作りをもっと楽しみたい方はぜひ最後までお読みください。
イーストの種類はこんなにある!?
イースト(英語でyeast)は酵母という微生物で、パンを膨らませる役割を果たします。
稀に、酵母とイーストが違うかのような記述を見ることがありますが言語が違うだけで「イースト(yeast)=酵母」です。
ではまずはイーストの種類を整理してみましょう。
イーストの種類1、天然酵母(酵母液・元種・ドライイースト)
自然界の微生物(酵母菌や乳酸菌)を使った発酵種の総称。粉をお水を継ぎ足すことにより酵母の発酵種を作ります。
実は天然酵母は自分で作るだけでなく、市販の酵母種もあります。顆粒状になっているので天然酵母ですがドライイーストと言えます。
天然酵母のドライイーストの中には、お湯と混ぜて種を起こすタイプと、材料に混ぜてすぐに使えるタイプがあります。
イーストの種類2、インスタントドライイースト
インスタントドライイーストとは、イースト菌を乾燥(フリーズドライ)させた顆粒状の酵母。
前述のように天然酵母のドライイーストもありますが、ドライイーストと言えば一般的にインスタントドライイーストのことを指すことが多く、パン作りに最適な一種類の酵母菌だけを厳選して育てた、いわば人工的なものです。

インスタントドライイーストの最大のメリットは、パンの材料に直接入れて捏ねるだけで発酵を促してくれること。事前準備や予備発酵も必要ありません。
保存方法も密閉して冷暗所に保管するだけなので、いつでもすぐに使うことができます。
すぐに使えて保管も楽なので家に常備しています。 |
イーストの種類3、生イースト
生イーストとは、酵母を培養したものを水洗いして水切りしたもの。紙粘土みたいな見た目です。
発酵力が強く短時間で仕上がるのが特徴で、特にソフト系のパンに使用するとふわふわになります。
どうしても市販のパンのようなふわふわ感が出ないという理由の1つは、酵母が生イーストかどうかも大きく関わっていると思います。
デメリットは、日持ちしないこと。よく売られているものは500gのものが多く、通常2週間ほどの賞味期限です。
500gと言えば、単純計算で食パンなら83斤分となります。(※食パン1斤で6g使うとした場合)
一般家庭でいくらパン好きでいくら家族が多くても2週間でこの量(1日10斤以上!)焼くことは無いですよね。
保存も冷蔵のみで、冷凍保存は不可です。
ですがそれでも試してみたいですよね。そんな時は100gパックのこちらの生イーストがおすすめです!
スーパーマーケットで売っていることはかなり稀なのでネットで購入します。それでも100gはかなりの量のパンが焼けますね。実は、、、👇
生イーストは冷凍不可と一応書きましたが、実は冷凍保存できるんですよ。メーカーが推奨していないので大きな声では言えませんし自己責任でお願いしますが、1カ月くらいならしっかり冷凍していれば特に発酵力が落ちることなく使用できます。
イーストの種類4、セミドライイースト
私はパン作りをしてから長らくこの存在を知らなかったのですが、セミドライイーストとは、顆粒状になった冷凍のイーストです。水分量が多く水に溶けやすいのが特徴で、生イーストとインスタントドライイーストの良いとこどりをしたような酵母。
ただ、冷凍とは言え400gで生イーストの1kg分に相当するので、なかなか使いきれない量なのが難点ですね。
生イーストとドライイーストの基本的な違い
ではここでは生イーストとインスタントドライイーストの違いをまとめてみましょう。
- 生イースト:新鮮な状態で水分を多く含んでおり、発酵力と香りに優れます。パンの仕上がりもふわふわ。ただし冷蔵保存で保存期間は短め。
- ドライイースト:水分を飛ばし、乾燥状態にしたイースト。保存性が高く、家庭での使用に向いています。
特徴 | 生イースト | ドライイースト |
---|---|---|
香り | 豊かで本格的 | すっきり軽め |
発酵力 | 強い | 安定している |
保存期間 | 冷蔵で2週間程度 | 未開封で半年〜1年 |
扱いやすさ | やや難しい | 初心者でも簡単 |
生イーストとドライイーストのメリット・デメリット
生イースト
- メリット:香りが良い、発酵力が強く短時間で仕上がる
- デメリット:保存期間が短い、スーパーでは手に入りにくい
ドライイースト
- メリット:保存性が高く常備しやすい、計量が簡単で失敗しにくい
- デメリット:香りがやや劣る、発酵に時間がかかる場合がある
👉 初心者はまずドライイーストを選ぶのが安心です。
生イーストとドライイーストの使い分け方
実際にどちらを使うべきかは、作りたいパンの種類や目的で変わります。
- フランスパンやハード系パン → 香りと風味を重視するなら天然酵母がおすすめ。
- 菓子パンや家庭用の食パン → 扱いやすいドライイーストが最適。
- 毎日のパン作り → 保存が効くドライイースト。
- 特別な日の本格パン作り → 生イーストでよりリッチな風味に。
初心者におすすめのドライイーストランキング
第1位 おすすめ度★★★★★
甘いパンもリッチに焼けるサフのインスタントドライイースト、通称金サフ(金のパッケージ)は糖分が粉の5%以上のパンに、赤サフ(赤のパッケージ)は糖分0%~12%のパンに使います。
私はソフト系は金サフ、ハード系は赤サフと使い分けています。
第2位 おすすめ度★★★★☆
天然酵母でパンを焼きたいけどなかなか自家製酵母作りには手を出せない。そんなあなたはこちら。インスタントドライイーストと同じ感覚でパン生地に直接混ぜて使えるのでホームベーカリーでも使用可能です。ドライイーストですが天然酵母なので、出来上がったパンは紛れもなく天然酵母パンです。
第3位 おすすめ度★★★☆☆
もう少し上級者っぽく、天然酵母の種起こしから経験してみたい、そんなあなたにはホシノ天然酵母パン種。お湯と混ぜるだけで生種ができるので失敗しにくいです。
生イーストとインスタントドライイーストの置き換え方法
レシピに書かれたイーストが手元になくても大丈夫。換算して代用できます。
一般的に生イーストはドライイーストの約3倍量を目安に換算します
例)レシピに「ドライイースト3g」と書いてあれば、生イースト9gに置き換え可能です。逆もまた同じです。
普段は天然酵母でパンを焼いていても、インスタントドライイーストも常備しておくといいですよ。私も甘いパンが焼きたい気分の時や、今日すぐ食べたいと思った時はドライイーストを使います。
生イーストとドライイーストの保存方法の違い
イーストの保存方法も重要なポイントです。
- 生イースト:冷蔵保存で2週間程度。冷凍は不可。開封後は早めに使い切る必要があります。
- ドライイースト:未開封なら常温で半年〜1年。開封後は密閉して冷蔵保存がおすすめ。
前述しましたが、実は生イーストも冷凍できます。メーカーは推奨していないので自己責任ですが、1カ月ほどなら冷凍でもそこまで発酵力は落ちません。
また、ドライイーストも私は密閉して冷凍保存しています。頻繁に使うものではないので、使う時にサッと出してまた冷凍庫に戻します。
初心者におすすめなイーストはどっち?
パン作り初心者におすすめなのは、間違いなく ドライイースト です。生イーストは憧れますが、使い切れないことが日持ちしないことが難点です。
その点ドライイーストは、
- 保存が効くため無駄にならない
- 計量が簡単で失敗しにくい
- ネットやスーパーで簡単に購入できる
特に人気なのが「サフ インスタントドライイースト」。世界中のパン職人も愛用している定番商品で、家庭でも使いやすいサイズがあります。
通称赤サフ、金サフ、青サフなどと呼ばれていて私も冷凍庫に常備しています。
サフの金色のパッケージは糖分の多いパン用(糖分が粉の5%以上)、赤いパッケージは糖分の少ないハード系パン用で、125gサイズで1年近く持ちます。
「天然酵母をメインで使うのでインスタントドライイーストは滅多に使わない」という方は小分けパックにしてもいいですね。
ドライイーストと生イーストの違いは?種類と使い分けのポイント まとめ
- 生イーストは「香りと本格派向け」、ドライイーストは「手軽さと保存性重視」
- 初心者はまずドライイーストを選ぶのが安心
- レシピによって代用も可能なので、どちらか一方を常備しておけばOK
パン作り全くの初心者さんは、まずはインスタントドライイーストから試してみましょう。
糖分の少ないパン(当分が粉の12%以下)用 |
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