パン作りを始めようとすると耳にする「天然酵母」「サワードウ」「ルヴァン」…。
なんとなく同じように見えるけれど、実はそれぞれ少しずつ意味や使い方が違います。
ここでは、パン作り初心者でも分かりやすいように「天然酵母の呼び方の違い」と「酵母の種類」について解説します。
天然酵母とは?
- 自然界の微生物(酵母菌や乳酸菌)を使った発酵種のこと
- フルーツ、穀物、ヨーグルトなど身近な食材から培養できる
- 味わいは個性的で、人工的に作られたインスタントドライイーストに比べると風味が豊か
「天然酵母」とは、自然界のものだけで培養された酵母の、大きなカテゴリの呼び方です。
👉天然酵母とは?ドライイーストとの違いを徹底比較|味・香り・発酵力を解説
呼び方の違い(サワードウ・ルヴァンなど)
天然酵母にはいくつかの呼び方があります。
日本で天然酵母というとフルーツ酵母が一般的ですが、国やパン文化によって表現が異なるため混乱しがちです。
- サワードウ(Sourdough)
アメリカ・北欧などで一般的な呼び方。小麦粉と水を混ぜて自然に発酵させた「発酵種」のこと。
酸味があり、ハード系のパンに使われる。 - ルヴァン(Levain)
フランス語で「酵母種」を意味する言葉。小麦粉と水をベースに、時にフルーツやハチミツを加える場合もある。
サワードウとほぼ同じ概念だが、フランス式製法を意識した呼び方。 - ホシノ天然酵母(ドライイースト)
日本で有名な市販ブランド。米や麹から作られた安定性のある酵母。お湯と混ぜるだけで酵母種が作れるので初心者にも扱いやすい。
ドライイーストと言っても人工的なインスタントドライイーストとは違い、れっきとした天然酵母を乾燥させたものです。→商品を詳しくみる
👉 言い換えると、
- 天然酵母:全体の総称
- サワードウ/ルヴァン:小麦粉+水で培養した発酵種の呼び方(地域による違い)
- ドライイースト:商品化された市販の乾燥天然酵母
種の種類(素材別)
天然酵母は「何から培養したか」で種類が分かれます。
- 小麦粉由来(サワードウ・ルヴァン)
小麦粉と水のみ。香りが強く、パン本来の味を楽しめる。 - フルーツ酵母(レーズン・りんご・ぶどう など)
フルーツの糖分で酵母を培養。フルーティーな香りで初心者でも成功しやすいが、パンを焼くにはここからさらに小麦粉を混ぜて元種を起こす必要があり手間がかかる。
👉自家製天然酵母の作り方|酵母液から元種起こしまでの基本とコツ【初心者向け】 - 乳製品酵母(ヨーグルト酵母など)
ヨーグルトや牛乳を使ったもの。まろやかな風味。 - 穀物酵母(米・酒粕・甘酒など)
日本の伝統的な発酵方法で、酒種酵母と呼ばれるものはお米と麹が原料。和の食材と相性が良い。
どれを選べばいい?
- お試し→ホシノ天然酵母などの市販のドライイースト
- 本格派 → サワードウ/ルヴァン(小麦粉×水だけで発酵)
- オリジナリティ → フルーツ酵母(香りを楽しむ)
👉 最初の1歩は「市販酵母 or サワードウ」から始めるのが安心です。
私も最初はレーズン酵母から始めましたが、サワードウを試してからはサワードウの方がハードルが低いんじゃないかと思います。
というのも、フルーツ酵母は酵母液を起こしてから元種を発酵させますが、サワードウだと酵母液の工程を省くことができるからです。
なので、サワードウに惹かれる、ライ麦酵母やってみたい、など希望があるならそれから始めるのがいいと思います。
まとめると、
- 天然酵母=自然界の微生物を使った発酵種の総称
- サワードウ(英語)・ルヴァン(仏語)は小麦粉+水の発酵種
- 種の種類は「小麦粉」「フルーツ」「乳製品」「穀物」などに分かれる
- 初心者は扱いやすいサワードウから始めて、徐々にステップアップがおすすめ
では「初心者が失敗しにくい天然酵母ランキング」を詳しく紹介していきます。
初心者におすすめ!天然酵母の種類ランキング
パン作りを始めたいけれど、「天然酵母」って種類が多くてどれから試せばいいのか分からない…。
そんな方のために、初心者でも扱いやすく失敗しにくい天然酵母をランキング形式でご紹介します。
さらに、よく耳にする「サワードウ」「ルヴァン」といった呼び方の違いもわかりやすく解説します。
第1位|ホシノ天然酵母(市販ブランド)
- 難易度 ★☆☆☆☆
- 特徴:日本で最も有名な天然酵母。米や麹から作られており、安定した発酵力を持つ。
- メリット:お湯と混ぜるだけで酵母を起こせて失敗が少なく、パン教室やレシピ本でもよく使われている。味わいは優しく、安定した発酵力。
- おすすめポイント:初心者が「天然酵母パンの第一歩」として取り入れるのに最適。
👉 楽天で小分けパックも購入できるので手軽に始められます。
作り方も販売ページに載っているのでイメージしやすいです。
自家製で酵母作りをする前に、練習がてら使うのもいいですね。
市販の天然酵母種の中には種起こしせずいきなり生地に混ぜて使えるものもあるので、用途や好みで使い分けて下さい。
👉市販のドライ天然酵母の比較はこちら
第2位|サワードウ(小麦粉×水)/ルヴァン
- 難易度 ★★★☆☆
- 特徴:小麦粉と水だけで発酵させた伝統的な酵母。欧米では「サワードウ」と呼ばれる。
さらにライ麦粉を発酵させたものはライ麦酵母、またはライサワーなどと呼ばれる。 - メリット:酸味があり、ハード系のパンに最適。パン本来の香りが強い。
- おすすめポイント:中級者向けだが「本格派パン作り」に憧れる人に人気。
👉 ハードルが高いように思われ勝ちですが、特別な材料も不要で最もシンプルな工程だと思います。
サワードウの作り方(執筆中)
第3位|ヨーグルト酵母
- 難易度 ★★★☆☆
- 特徴:ヨーグルトをベースに培養した酵母。乳酸菌の働きで香りがまろやか。
- メリット:食パンや菓子パンに合う、ほんのり酸味。
- おすすめポイント:少し変わり種を試してみたい方に。
なぜかあまりメジャーではありませんが、もともと乳酸菌発酵食品であるヨーグルトを使うので失敗しにくいです。ヨーグルトはどこでも買えることもあって手軽に始められます。
第4位|フルーツ酵母
- 難易度 ★★★★☆
- 特徴:レーズンやリンゴなどのフルーツを水に漬けて培養する酵母。初心者でも比較的成功しやすいが元種完成まで時間がかかる。
- メリット:ほんのりフルーティーな香りで、菓子パンや食パンにぴったり。
- おすすめポイント:コストをかけずに家庭で簡単に始められる。添加物を避けたい自然派主婦に人気。
👉 日本では最もメジャーな自家製酵母の作り方で初心者向けとも言えますが、工程が多く時間がかかり、その分失敗ポイントが多いのも事実です。なのであえて難易度は高めにしました。ただ、私も初めての酵母をこの方法だったので基本を一通り経験できるという意味ではおすすめです。
呼び方の整理
- 天然酵母:自然界の酵母を使った発酵種の総称
- サワードウ(英語)=小麦粉×水の発酵種
- ルヴァン(仏語)=サワードウとほぼ同じ意味
- ホシノ酵母:日本で有名な市販酵母ブランド
天然酵母の種類|サワードウ・ルヴァンなど呼び方や酵母の違い まとめ
- 初めてなら「ホシノ天然酵母」や「レーズン酵母」がおすすめ
- 慣れてきたら「サワードウ」「ルヴァン」に挑戦
- 好みに合わせて「ヨーグルト酵母」「フルーツ酵母」に広げるのも楽しい
👉 最初から無理せず、扱いやすい酵母で「成功体験」を積むことが続けるコツです。
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